白くならない勝ち方
白さの徒競走から降りよう
人狼ゲームが、もし白さ勝負のゲームであったなら──
どんな村でも勝てるのは、どんな村でも白く輝く事の出来る、最強のたった1人のプレイヤーだけです。
村の中で肯定的に捉えられ、様々な人から憧れられる事もあるかも知れません。
しかしながら、誰しもが村の中でその様になれるとは限りません。
今回ご紹介するのは、周りが真っ白だった時に、村を黒くする。
ラストウルフではない泥臭い繋ぎ狼の戦い方の一つです。
繋ぎ狼の方法論
相手の価値観を捉える
「お前のそういう所が本当に気に入らないよ」と言われると、大抵の人はイラッとすると思います。
しかし、「ここが足らないので、イイ奴なのに勿体ない」と言われればイラッとしませんね?
「イイ奴なのに」と言う前提が省かれると、欠点のみを指摘する言葉遣いになります。
しかし、前者の会話が、10年来の親友同士の会話だったらどうでしょうか?
あるいは、提案をされたときにニヤニヤしながらする返答であったなら?
実際には悪い雰囲気ではないのかもしれませんね。
これは実際の人間関係でもよくある事ですが、自明の事実は省略されます。
その事によって人間は「あうんの呼吸」のような心地よさを感じる一方で、
深い仲ではない場合同じ言い回しでは誤解を招きます。
逆に言えば、「相手が自明として省略している前提が何なのか」が分かれば、
その人のベースとなる価値観、無意識の行動基準が見えてきます。
第1段階ですが最も高い壁です。
これにはよく話を聞くしかありません。
相手の無意識の隙間に針を刺す
相手の価値観を把握したあとは、自分の発言で意図的に前提を省略します。
欲を言えば「確認のために質問を飛ばせば、何を言っているかわかる」と言う状態だとベストです。
相手は、他者の発言の理解に対してコストが上がります。
しかし、対話した際に「理解した」と言う報酬は与えられているため、
相手は切り捨てる事が難しくなっていきます。
これが、村側の「黒い行動」「ミス」の白黒判断への許容値を上げていきます。
結果村全体の判断力を下げます。
ただしやりすぎたら進行中は荒れますので匙加減には注意しましょう。
自分と村側2人での無意識の隙間を縫う
時間が経つにつれ、他人の人物像考察が進んでいきます。
ここで言う人物像考察と言うのは、この人はこの村ではこういう発言にツッコミを入れたがる、と言うことです。
(長期のみならず、対面人狼も、その村によって行動が変わるので必要です。)
すると「この行動はこの人には白く見られるけど、この人には黒く見られるだろうな」と言う行動が分かってきます。
自分がそのような、白黒判断の割れる発言をします。
結果、ある人(Aさんとします。)には庇われるが、他の人にはAさんが理解できず意図的に庇っている様に黒く見えます。と言う状態が出来上がります。
これを繰り返すと、自分(狼)について議論しているのに村側同士の意見が噛み合わなくなります。
出来れば黒位置2番手を維持して注目され続け、ライン繋ぎによって村人を吊り、滅ぼします。
対象の2人の発言力(上から押さえつける力)が強ければ強いほど潰し合わせられる為、
劇的な効果を発揮します。
フラットな、普通の村では「薄い」とされる相手には通用しにくい戦術になるので、なるべく吊りか襲撃で消しましょう。
参考ログ
- F1791村一見フラフラしてるように見えるが、村長の動きは全て意図的であり、村同士の同士討ちを導いた。狼の操作が入っていないエピローグはとても盛り上がった。
- 樹氷の村(瓜科国1073村)ケイティの動きは、「真占い師と村人の間に割り込み、本人は真占い師を庇っている様に、真占い師や周りから見えるが、その発言を見た周りは真占い師への信用を下げる」発言の手法。初回襲撃成功へ。
今回ご紹介したテクニックは盤面操作の一つですが、意味わかんねーよって人は、
ぜひぜひ盤面操作のやり方(基礎編)の方からお読みください。
それでは皆さま、良き人狼ライフを。
(2017年7月8日、全面書き直し)
(2023年10月3日、表現見直し)