人狼の「上達」と行動理由の大切さ

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今日でこのブログに最初の記事を書いてから、1年が経ちます。
元々人狼SNSの日記や人狼BBSまとめサイトに公開していた記事を、活動の主体を対面人狼に移すのを機にこちらへ移動したのですが、お陰様で結構な人に見ていただいています。拙い文章ですが、ありがとうございます。

さて、1周年と言う事で、今日は初心に帰って、ブログタイトルっぽい記事を投稿します。

人狼の勉強のお話です。

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人狼は上達するゲームか

人狼はチーム戦でありますが、ほとんどの場合味方を選ぶ事は出来ません。見方を変えると、同村するメンバーや役職が、個人にとってのランダム盤面生成機になっているとも言えます。
そもそもそんなゲームで上達も何もないだろ、と思う人も中にはいるかもしれませんが、そう言う考えの方がもしいれば、この記事を読んだ後に自分でも一考を、そうでない方は努力の根拠にして頂ければ幸いです。

戦績数と勝率の関係

人狼戦績まとめでは、サイトとしてはID別の戦績が見られるようになっていますが、内部的には表示可能な全ての村のデータを保管しているので、SQLを使って条件検索をする事が出来ます。
これを使って2-10戦目の人の勝率と、それ以降の勝率を比較すると、10%程度の有意な差が見られます。
(※積極的な晒しになってしまうので、ランキング機能などの実装については考えていません)

もちろん戦績を重ねても全く勝てない人も中には居るのですが、大まかな傾向としては、人狼は上達する事が可能なゲームであると見る事が出来るでしょう。
(※勝てるから戦績が多くなるのではない、という事の証明は必要ですが……。)

理由と再現性のある強さこそ「上達」と呼ぶに相応しい

前できなかった事が出来る様になる事、セオリーを覚えて様々な場面で対応できる様になった、苦しい時に上手く他人を説得出来た、潜伏役職を見抜ける様になったetc…
色々と、「上達」と呼ぶに相応しい状態はあると思いますが、運良く上手くいったのか、実力なのかは、少なくとも自分の中では切り分けられる様になって行く必要があります。それを切り分けるのが「理由」と「結果」の関連付けです。
つまり、「この動きをしたから、この様な結果になった」という事が、狙い通りに行ったのか、それともダメだったのか……と言う事を、改めて考える事で身に付けるという事です。

将棋や囲碁のプレイヤーは、どうして感想戦をする事が出来るのか

少し話が変わりますが、将棋や囲碁の感想戦は、200手以上の手を最初から打ち直していますし、アマ初段ぐらいの実力があれば誰でもこれをやっています。
皆さんは、人狼での自分と他人の発言や投票を、村終了後に再現出来るでしょうか?
……出来ない人も多いのではないでしょうか?(自分も、特に村側の時は難しいと感じますが、人狼の時は大抵諳んじる事が出来ます)

何故、将棋や囲碁の感想戦は、手を覚えられるのでしょうか。
ここのyahoo!知恵袋の解答が分かりやすいので引用します。

「記憶」と云うよりも、囲碁・将棋の必然性による応手の再現ではないかと思います。
高段者になればなるほど、その打ち手の囲碁・将棋に対するスタイルが確立してきます。 大概の定石はほぼ完璧に熟知した上で、相手の指す一手、一手にその打ち手の考え(スタイル)による応手が盤面に反映されます。

相手が難しい手を打ってきたり、自分が何か策を施そうとした時には、応手を熟慮した時間分自分の脳裏に焼きつきます。
従って、自分流のスタイルによる応手の必然性と、考慮した時の特異性が脳裏に焼きつく(それを記憶力と云ってもいいかも知れませんが、、それも自分の発した応手の必然性によるものと思っています。)力を持っていることが高段者たる由縁かも知れません。

……と、言う事です。
人狼に置き換えると、「村中の行動に意味と必然性があり」「再現性が高い」行動を選択する事で、村の最中の出来事を、容易に思い出す事が出来る、と言えると思います。

反省会・村の振り返りをする為に必要な事

人狼は、次に全く同じ場面になると言う事は有りません。囲碁も、局所的に同じ形になる事はあっても、基本的には全体の最善を模索するゲームですので、同じ盤面にはほぼなりません。
それでも感想戦や反省会をするのは、盤面には再現性がなくとも、「判断の理由と根拠」は再現性があるからだと言う事です。人狼で言うならば、他の参加者から見えていた風景や、行動を「どうして?」と問う事が肝になります。

そして、逆説的になりますが、それを感想戦で問う為には、進行中の出来事を覚えておかなければいけません。なので、特に対面人狼では、まずはプレイング中に、他者の発言に対して疑問を持ったり、考えて自分の動きを選択していく事が必要であると言えます。
(ネット人狼の場合は、ログを見ながら考える事が可能ですが、それでも全日のログを読むのには時間が掛かります。)

ガチと楽しむ事は両立する

行動の選択に意味が、勝ち負けに意味が感じられない村を続けて行くと、どうしても空しくなってしまいます。
また、勝者の努力や閃きの厚みを知っていれば、負けた時も相手を素直に讃えられやすくなるとも思います。

人狼の勉強は面白い。
そんな風にずっと感じられるのを目指しながら、これからもやっていきたいと思っています。

この記事を書いた人
らす ( luxx )

2007年10月より人狼ゲームをプレイ。
2010年、人狼BBS:Fにて20戦以上参加のプレイヤーの中で最高勝率を記録。
「日本で一番人狼が好きな人狼プレイヤー」として、人狼会の主催や企画なども行っています!
詳しくはプロフィールページをどうぞ。

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