基本的な論理の話2 -仮説の立て方と弱者の戦い-

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理路整然と話し、考察にも矛盾がない様に思えてしまう。
とてもじゃないが自分には倒せそうにもない人狼がいる──そんな時でも村人の特性を活かせば、人狼を処刑することが出来るかもしれません。

今回は(初心者さんでも出来る)白い狼を探し出し、
処刑に持っていく手法のご紹介をしたいと思います。

初めて人狼をやる人が知っておいたほうがいい基本的な論理の話に含めてしまおうとも思ったのですが、多数の視点を考察するのがすこし重い気もしたのであえて記事を分けています。

「強弁」とされる人物を倒す為に

前提を疑え

白狼を逃がしてしまう原因として、ありがちな前提ミスがあります。例えば最終日のグレーの議論。
「Aさんが白い。既に白いAさんが人狼ならここまで演技する必要がないからやはり人間だろう。」
と言うもの。

自分が人狼役の時にも何度か言われたことがあって、例えば月狼国の以下のようなもの。コラーダが僕のキャラの名前です。

ぶっちゃけコラーダ狼なら、今日はもうボロを出さないようにする以外、何もする必要ねえよなあ。

わしを探る必要もなければ、
結局使えなかった、で次に行く必要もない。
ここに至ってもまだ推理しようとしてるのが人間臭いと思うよ。

この村は地上の流れだけ見れば人狼チームの圧勝とも言える村でしたが、墓下や序盤を見れば、負けの要素はあちこちにありました。
勝ちきれる人狼は、村人がいつでも村人同士の繋がりを取り戻せば意見をひっくり返す事を知っています。
ですので、基本的に手を緩めはしません。最後まで人らしくあり続けるのです。

つまり、ここでの「間違った前提」とは、
「人狼は自分が白い時に、より白くなろうとはしない」と言う考え方にあります。

とは言え最終日だけを見て他人を説得できるかと言うとほぼ無理で、
大体の場合は、人狼が村人同士が疑い合う盤面を時間を掛けて作り上げた結果が出ている、と言うものになります。
白い狼は、自分の考察で窒息死させる必要があるのです。

ラストウルフから見える風景は人しかいない

村の議論を進めることが出来る正しい事を言う人狼は残しておく。
と言う話を、皆さん何処かで聞いたことがあるかもしれません。
このブログでも、村人の推理の方法として取り上げていますが、基本的に歪める量が少ない人狼は村人に近しい発言をせざるを得ません。

しかし、真理として人狼から見える他の村人はすべて白であり、村人から見た景色の中に黒は確実に存在しています。
これを絶対に忘れないようにしてください。すなわち、ラストウルフは、他の村人を処刑しても村が終わらないことを必ず知っているのです。

見える風景から狼を探す:実践編

Q1.下記5グレーの判断役だった場合、どの様な手順を想定しますか?

A〜Eの5人に確定白1人含めた6人日、残り狼は1。
最終日前日に以下の様なグレースケールで相手を疑っていたとします。

ここで、それぞれの灰を処刑した時に、最終日にどのような展開が想定されるか見てみましょう。

  1. A、Bを吊る場合:
    相互黒視の解消を優先。
    この2人を処刑する場合、E視点の最黒を処刑するか、2番手黒を処刑するかの違いが生まれます。しかしEから見るとどちらも最終日の最黒位置となりますので、以下はA処刑として話します。

    続いた場合、B最黒2人(D/E)、D最黒1人(C)、E最黒1人(B)
    B処刑が想定されるが、BとEは最黒を処刑した事によりA白の情報を得て考察に変化が出ます。

    Dから見るとEの狼に気づいたとしても自分をロックオンしているCの1票が存在しているため、
    Dは疑い先を変えづらい。EはCを取り込んでのD吊りが可能。

  2. Cを吊る場合:
    最白の処刑のため最終日前日とそれぞれの考察の状況は変わらず。
    A処刑濃厚。
  3. Dを吊る場合:
    最白であり最終日判断役が想定されるCの意見を尊重したパターン。
    ABの票が前日に続き相互で入り、Eの票はAに入ると想定される。A吊りないしはB吊りとなる。
  4. Eを吊る場合:
    A、Bは相互投票、DはAもしくはBに投票。
    CはDに投票しても処刑する事が出来ない。

……と言った所になります。注目すべきは推理があっているかではなく、票がどう動くかです。灰4人の最終日は、1票は1票であり、まとめ役が居る時と違い考察に重み付けはありません。

Q2.A〜Eの中で、狼として一番都合のいい吊り順を提示出来る考察をしているのは?

  1. A,Bはこの日の処刑を逃れても最終日の処刑は免れません。
  2. Cはどのパターンでも逃げ切れる為、この状況での白黒は取れません。
  3. DはA/Bどちらが処刑されても何らかの方法でCのロックオンを外さなければなりません。
    しかし、潜伏狂人生存でない限りCを白視して発言力を上げるのは得策ではありません。
  4. EはAを処刑した後にBと対決しなければなりません。

よって、答えは「Eが一番、自分が生存するのに都合のいい考察をしている」となります。

もちろん実践の正解がいつもこのようになるわけではありません。
しかし多くの場合、終盤の人狼(ラストウルフ)の考察はEのようになりがちです。

なぜなら、繰り返しになりますが「ラストウルフは2人村人を処刑しなければならない」からです。
もちろん2人村人を処刑するためにどれだけ人狼に負荷が掛かるかは、村人の発言の実力にも依存する所が大きいです。

しかし、今回ご紹介した考察方法は、「人狼の勝利条件は、最終日の生存である」「参加者は勝利を目指す」というシステム的な考えに依存する考察なので、
他人の発言の白黒の「根拠」には全く依存しないと言う点が強みになります。

実際にラストウルフを処刑するためには

……とは言え、実際にEを処刑まで持っていくのは大変です。
実際の人狼がEだったとして、この日にEを処刑することは可能でしょうか?
Eはほとんどの灰から白と見られていますし、少なくとも本命のラストウルフとは見られていません。
その様な状態で独断だけでEを処刑することが可能か……というと難しいでしょう。状況によっては潜伏狂人かもしれないと疑いを掛けられてしまうかもしれません。

難しいですが、もし自分が翌日を見越すのであれば、
EでなければAかBのどちらかに人狼が居ると判断できる場合にはEを処刑後にA/Bを吊る、と言う手順が成り立ちます。

Cに対してDの白決め打ちを促しリソースを裂く、
あるいはAを処刑しE吊りに持っていくため、C→Dの疑いを解消させる前準備として、
Eに対してなるべく早くの結論付け(A/Bのうちどちらが狼か、またDの人要素を発言として吐き出させた上で疑い先を吊る)を行います。
その上でA処刑で最終日に託す、と言う考え方が、最も情報が出るやり方かも知れません。
このようにすれば、E視点で見た時に人人人……と並ぶことになります。

最後の論理的な詰めとして、「背理法によりEが人だと人狼はいない事になる為、Eは人狼である」
と持っていければそれがベストです。

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