ロジックで人狼を! 村人の推理の方法(その1)

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推理に強くなりたい、と思っている人、多いと思います。ですが、その中で推理ってどうやるの?という事を説明できる人が果たしてどれだけ居るでしょうか。

今日は、多くの推理の中でも論理的に人狼を吊る方法、そして、人狼側がどうやって、自分や仲間が狼であると言う真実を隠すかを考えてみたいと思います。

そもそも論理って何やねん

まずは、論理の話をします。
論理は、平たく言えば「○○だから(理由)、××だ(結論)」と言う理由の道筋です。考えの妥当性を担保する為のやり方、と言い換えても良いでしょう。

逆に言えば、理由そのものの真偽が曖昧(例:自分が怪しいと感じたから)でも、実際に村の中で喋る部分は論理的な話として話すことが出来る、と言う事です。

具体例を挙げてみます。
例えば偽占い師が、「自分は真だから」と言う前提で話を進めれば、それは前提の誤った論理となります。当然結論も真実から遠ざかる可能性が高くなります。

人狼で、1番大元の根拠は何だろう?

では、スタートの真偽がはっきりしている根拠とは何でしょうか。
これを理解すれば、少なくとも「何が分からなくて、何が分かることなのか、すら分からない」と言う事は無くなるはずです。

システムから導き出せる根拠。

  1. 人外と村側は勝利条件が異なる
    これはシステム的に明らかと言えます。過程はともかく、最終的には、人狼側は人狼と村側を同数まで減らすこと。村側は狼あるいは妖狐などを全員ゲームから除外することを目指しています。
  2. 人狼(あるいは他の役職)は、自分の役職を知っている
    人狼は自分が人狼であるという事を知っています。
    これはすなわち、自分が真実を言えば、必ず自分は人狼であると言う答えに辿り着く、と言う事です。
    これも、非常に大切な考え方です。

    人狼は嘘つきと言う風なイメージを持つ方も多いと思いますが、人狼は嘘をつかずに村人を村人という事が出来ます。

  3. 村側は、どの村でも何らかの方法で真実に辿り着くことが出来る
    これは、真実と言うよりも村側のゲームの目的、定理に近いものです。これを前提に行動しなければ、そもそも勝ちを目指すゲームとして破綻している事になります。
    (逆に言えば、編成を組む側から見れば、勝てない陣営が存在するような編成はダメと言えるでしょう)

前提の説明の必要がない事実

  1. CO数
    CO(カミングアウト)する理由を知っていますか?でお話していますが、考えるべきパターンがある程度絞られて話しやすいのがCO数に関する議論と言えるでしょう。
    3-1になった時の、「占い師は真狼狂もしくは真狼狼だから、・・・」と言う下りで始まる話は、ここに当てはまります。
  2. 判定
    「○○さんが真占い師なら、この人は人間。もしこの人が人狼であったなら、真占い師は××さんだと分かっている。なので〜」と言う論の展開をしていきます。
  3. 襲撃先
    「無残な姿で発見された人は人狼ではない(恋人の人狼など特殊な場合を除く)」と言うもので、これも事実です。
    「今日は○○さんが人狼であったなら、前日に指定があり占われるのが分かっていた。このタイミングでの霊能者襲撃はどのような意図があるのだろう。」と言ったように、襲撃の意図等を盛り込みながら考察を進めていきます。
  4. 投票先
  5. グレラン等の場合、システム的な投票先として確実な事実です。
    特に長期人狼の場合、仮投票や希望出し等で擬似的に投票先を出させると言う事も行われます。
    「初日に4票貰っていた○○さんは人間で、3票貰っていた××さんは人狼だったので、ライン切りの意図がない限りは××さんに入れた3人は人間ではないだろうか?」

本来は前提の説明の必要があるが、多くの場合端折られている前提

  1. 狼は2騙りしていない
  2. 共有者に騙りは出ない
  3. COをせず死ぬ役職者は居ない
  4. 村騙りは居ない

などなど……枚挙にいとまがないので省略しますが、
村側はこれらの省略された前提を補完しながら対話していくことが議論のスピードをアップする事に繋がります。一方で、同時に人狼から見た時に付け入る隙となるのもこの部分です。

僕はこの事を「(後付けの)共感偽装」と呼んで、長期で多用していました。

ロジカルウルフの思考

間違った仮定から間違った結論を導く

例えば真占い師を吊りたいと思った時、占い師が真狂であれば、基本的に占い師に手をかける必要は出てきません。
このような場合に、
『2COの占い師は真狼と考えられる』
「2人の占い師のうち、狼っぽいのはこちら(真占い師)の方」
「だから、こちら(真占い師を吊りたい)」
と言う論の展開をします。

これが仮に『』内の前提が違ったとしたらどうなるでしょうか?
『2COの占い師は真狂と考えられる』(うんうん。)
「2人の占い師のうち、狼っぽいのはこちら(真占い師)の方」(えっ、前提として狼居ないんだよね?)
「だから、こちら(真占い師を吊りたい)」(おかしい!こんなことを言う奴は狼だ!)

……こんな事になっては、目も当てられませんね。

最終型から逆算して、作るべき論理を組み立てている。

ロジカルウルフの考え方としては、基本的に「最後まで破綻せずに作れる論理を組み立てる」或いは、「破綻しないように可能性の幅を広く持つ」のどちらかになっていくと思います。はじめて人狼をやる人が知っておいたほうがいい基本的な論理の話でお話したとおり、村が使える吊りの数は決まっていますから、その人数に応じたスケープゴート(SG)を作っていくと言うのを基本に置きましょう。
簡単なものから言えば、非能力者を襲撃するならグレーではなく確定白を襲撃する……と言うのも、「破綻しないように可能性の幅を広く持つ」手法に分類されるものと言えるでしょう。

村人はそれに対抗すべく、力を合わせて考えられる可能性の幅を絞って行きましょう。

ロジカルウルフの吊り方

狼にとっての勝負場面こそが、村側にとっても勝負の場面

これはどういう事かと言うと、基本的にロジカルウルフは言論での穴は無いと考えるべきでしょう。
ですが、人狼はシステム的な大前提からは逃れられませんから、必ず何処かで真実を歪める必要があります。
ロジカルウルフにとって、そのような場面は、「嘘を見抜かれるリスクを背負ってでも押さなければならない」所であると言えます。

「狼にとって都合のいい前提」を作ってはいないか

勝負どころを戦うためには、まずは気づきが必要です。それを考えるポイントがこの項目です。
例えばそれは、間違った内訳だったり、ダブルバインドと言われる、話し手にとって都合のいい2択だったり、本当は村人だった人が狼であると言う主張に基づくライン切れであったり・・・

これらのセンサーを磨くために、多くの村を観戦したり、
ロジカルウルフに負けた時に、どのような意図で発言を行ったのかを聞き、自分の引き出しとして持っておく……といった事を、普段から鍛錬するようにしましょう。

周りを白くさせる

仮に、全く嘘をつかないロジカルウルフがいた場合はどうすればいいでしょうか。例えばこのような発言をする狼です。
「狼はLWだけだ。」
「周りは皆村人に見える。」
「どこで騙されているんだろう?」
「aさんはこう言うところが白いし、bさんはこう言う所が白い、cさんはこう言う所が白い」

……と言う発言群に対して。
LWが「狼は逃げ切ればいいだけなのに、狼が誰かたくさん考えているからこの人は狼ではないのだろう」と言う判断を受け、滅ぶ村があります。

しかし、「周りが全員人間である」ということは、システムから考えれば、LW視点「人狼が嘘を付かなくても言える」事です。
それを発言量で補えばいいだけなのですから、ロジカルウルフにとってこんなに簡単なことはないのです。
「君視点全員村人だ、と言う視点は正しく見える。だから、君の論理に基づいて、君が狼だと考えて吊る」

……人狼の勝負手を逆手に取って、人狼を吊って村を勝利に導いてみたいものです。

おわりに -再現性のある戦いの為に-

ここまで、なるべく前提が明らかなものから、論理的にどう推理していくかと言う事をお話ししました。
せっかくの遊び、上達してるのかしていないのか分からない!と言う状態は、あまり楽しくないですよね。
この記事が、再現性のある狼探しが出来るようになる一助となれば幸いです。

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