最初に
おめでとうございます。貴方は勝てる、強い狼になりました。
ここから更に高みを目指していきたいと色々考えていくと思いますが、残念ながら勝てる狼ほど、強い孤独を抱えていきます。
なぜなら、勝てる人は村の中では理解されないプレイングで、村を滅ぼしていく必要があるからです。
また、その村の勝ち負けや自分自身の満足度に関わらず、村の外では勝者・強者としての立ち振舞が求められていきます。
狼のプロフェッショナルや最後まで生き残ったLWは、本当は狼であるにもかかわらず村側であると考えられた、本当の意味では誰にも理解されなかった者であると言い換えてもいいでしょう。
そして、ネット人狼なら後から赤ログを読まれることによって理解されていくかもしれませんし、対面なら見てくれて居た人はいたかもしれません。
でも逆に、もしかしたら一生あなたの事を理解できない人だっているかもしれません。ですがそれは貴方が強いだけで、その人が悪い訳ではないのです。
あなたは「アイドル」を目指しますか?
カギカッコ付き「人狼ゲームで強い人」は、学生の頃のスポーツが上手な人の様に、羨望の眼差しで見られる事も多いです。
しかし、前述の通り、その様な人々は必ずしもあなたの事を理解して褒めているわけではないと言う事を理解しましょう。
あなたがもし誠実であれば、多くの人の好奇の目に晒されているにも関わらず、それらの人達への期待へも応えようとして、もがき、いつかきっと疲れてしまう事でしょう。
しかしながら、誰しもの期待に応える事は出来ないのです。そんな時に、かつてあなたに期待を一方的に抱いていた人々は様々な言葉を投げつけるかもしれません。でもそれは、決してあなたの責任ではないのです。
そう言った多くの人物は、直接土俵にも上がることのないただの観戦者であり、テレビの向こうの芸人を見ている様に、あなたの事を見ているのです。
火の近くに行き火の粉を払うのではなく、火の粉のかからない所に行くのも十分に尊重される選択でしょう。
逆に、そう言う人と仲良くなりたいなと言う人は、どうか相手が強いからと言って、何を言っても良いと言う訳ではない事を意識してもらえると嬉しく思います。
本当に強い狼を目指すために。
私事ながら、初狼は狭義完全敗北でした。しかし、最後の入村の2014年から過去直近11戦(3年間)人狼での敗北は1回のみで、また、F国での勝率は80.8%。これは、20戦以上の参戦で最も高い勝率だそうです。
(wolfbbs statsより。)
非常に残念な事ですが、正直「勝って当たり前」と言う意識になってしまいがちだった事、負けた時に周りのせいにする気持ちが多々生まれていた事を告白しておきます。
「村を見ました!」と、握手を求められる事もありました。しかし果たして本当に自分はこの時が1番強かったのか、と、今でも疑問に思う時があります。
なんにせよ、心の底から満足できる村は狼10勝のうち2回のみであり、そして残りの1回の敗北のみです。それ以外はどこか、自分の振る舞いに後悔がありました。それは、虚栄心や嫌われたくないと言う思いや、色々な事から人を傷つけたり、アンフェアな表現をしてしまったり……。でした。
「高勝率にもかかわらず満足できない」悩みに共感してもらえる方はそれほど居ません。長期人狼の勝率は54%が平均です。
将棋棋士の勝率分布と人狼PLの勝率分布は似ていますが、羽生棋士ぐらいの印象度があっても7割程度の勝率となります。
強くなりたい人は、自分が本当に強くなった時、他人に何が出来るかを考えてみるのも、良いかもしれません。
能力は、そもそも人狼に興味がない人も沢山いますから、下を見ればいくらでもいます。
そんな中で戦績向上のモチベーションになるのは、自分の意識のみであり、殆どが自分との戦いです。また、他人への継続した興味が、プレイングを進化させるきっかけを作ってくれます。
村で強さと他人への優しさを表出でき、村を作っていったと言う自負を持つため、自分と向き合う──
それこそが、本当に強い狼である、最も欠かせない条件のひとつだと、僕は考えます。