理路整然と話し、考察にも矛盾がない様に思えてしまう。
とてもじゃないが自分には倒せそうにもない人狼がいる──そんな時でも村人の特性を活かせば、人狼を処刑することが出来るかもしれません。
今回は(単体考察が苦手でも出来る)白い狼を探し出し、
処刑に持っていく手法のご紹介をしたいと思います。
初めて人狼をやる人が知っておいたほうがいい基本的な論理の話に含めてしまおうとも思ったのですが、
色々な他人からの視点を考察するのがすこし重いため、あえて記事を分けています。
「強弁」とされる人物を倒す為に
前提を疑え
白狼を逃がしてしまう原因として、ありがちな前提ミスがあります。例えば最終日のグレーの議論。
「Aさんが白い。既に白いAさんが人狼ならここまで演技する必要がないからやはり人間だろう。」
と言うもの。
自分が人狼役の時にも何度か言われたことがあって、例えば月狼国の以下のようなもの。コラーダが僕のキャラの名前です。
ぶっちゃけコラーダ狼なら、今日はもうボロを出さないようにする以外、何もする必要ねえよなあ。
わしを探る必要もなければ、
結局使えなかった、で次に行く必要もない。
ここに至ってもまだ推理しようとしてるのが人間臭いと思うよ。
この村は地上の流れだけ見れば人狼チームの圧勝とも言える村でしたが、墓下や序盤を見れば、負けの要素はあちこちにありました。
勝ちきれる人狼は、村人がいつでも村人同士の繋がりを取り戻せば意見をひっくり返す事を知っています。
ですので、基本的に手を緩めはしません。最後まで人らしくあり続けるのです。
つまり、ここでの「間違った前提」とは、
「人狼は自分が白い時に、より白くなろうとはしない」と言う考え方にあります。
とは言え最終日だけを見て他人を説得できるかと言うとほぼ無理で、
大体の場合は、人狼が村人同士が疑い合う盤面を時間を掛けて作り上げた結果が出ている、と言うものになります。
白い狼は、自分の考察で窒息死させる必要があるのです。
ラストウルフから見える風景は人しかいない
村の議論を進めることが出来る、正しい事を言う人狼は序盤敢えて処刑しないでおく。
と言う話を、皆さん何処かで聞いたことがあるかもしれません。
このブログでも、村人の推理の方法として取り上げていますが、基本的に歪める量が少ない人狼は村人に近しい発言をせざるを得ません。
しかし、真理として人狼から見える他の村人はすべて白であり、
村人から見た景色の中に黒は確実に存在しています。
これを絶対に忘れないようにしてください。すなわち、ラストウルフは、他の村人を処刑しても村が終わらないことを必ず知っているのです。
見える風景から狼を探す:実践編
Q1.下記5グレーの判断役だった場合、どの様な手順を想定しますか?
Aさん〜Eさんの5人に加え、確定白1人を含めた6人日、残り狼は1。
最終日前日に以下の様なグレースケールで相手を疑っていたとします。
ここで、あなたが確定白だったとします。
それぞれの灰を処刑した時に、最終日にどのような展開が想定されるか見てみましょう。
- Aさん、Bさんを吊る場合:
相互黒視の解消を優先した選択。
仮にAさんを処刑して続いた場合、最終日に票の流れはどうなるでしょうか。
・Bさんを最黒に見ている人が2人(D/E)
・Cさんを最黒に見ている人が0人
・Dさんを最黒に見ている人が1人(C)
・Eさんを最黒に見ている人が1人(B)
よって、前日の考察から考えが変わらない場合、最多票であるBさんの処刑が想定されます。
しかし、BさんとEさんは、自分視点最黒であるAさんが人間であると言う情報を得る事が出来るため、考察に変化が生まれ、そこから人間らしさを拾う事が期待できます。また、逆に人狼を仮定した場合、Dさんから見るとEさんの狼に気づいたとしても自分をロックオンしているCさんの1票が存在しており、Dさんは自分処刑を避けるためには疑い先を変えづらい。
EさんはCさんを取り込んでのD吊りが可能と言う見方が出来るかもしれません。 - Cさんを吊る場合:
最白の処刑のため最終日前日とそれぞれの考察の状況は変わらず。
・Aさんを最黒に見ている人が2人(B,E,※D)
・Bさんを最黒に見ている人が1人(A,※D)
・Dさんを最黒に見ている人が0人
・Eさんを最黒に見ている人が0人
となるため、Aさんの処刑濃厚でしょうか。 - Dさんを吊る場合:
最白であり最終日判断役が想定されるCさんの意見を尊重したパターン。
・Aさんを最黒に見ている人が2人(B,E)
・Bさんを最黒に見ている人が1人(A)
・Cさんを最黒に見ている人が0人
・Eさんを最黒に見ている人が1人(C)
AさんBさんの票が前日に続き相互で入り、Eさんの票はAさんに入ると想定されます。
Aさん吊りないしはBさん吊りとなりますが、村がCさんに票を合わせる場合のみAさん処刑を回避可能。 - Eさんを吊る場合:
・Aさんを最黒に見ている人が1人(B,※D)
・Bさんを最黒に見ている人が1人(A,※D)
・Cさんを最黒に見ている人が0人
・Dさんを最黒に見ている人が1人(C)
Aさん、Bさんは相互投票で、DさんはAさんもしくはBさんに投票。
CさんはDさんに投票しても処刑する事が出来ない。
……と言った所になります。注目すべきは推理があっているかではなく、票がどう動くかです。灰4人の最終日は、1票は1票であり、まとめ役が居る時と違い考察に重み付けはありません。
Q2.A〜Eの中で、狼として一番都合のいい吊り順を提示出来る考察をしているのは?
ここまでは、考察から予想される盤面の問題です。
疑い先が処刑されると仮定した場合、人狼として一番都合の良い吊り順を提示しているのは誰でしょうか。
人狼が自分に多数の票が入らないようにするには、襲撃か処刑で村人をゲームから除外しなければなりません。
- Aさん,Bさんはお互いが処刑された場合、この日の処刑を逃れても最終日の処刑が免れない可能性が高いですが、疑い先をEさんではなく、Cさんが疑っているDさんとすれば2票集めることが可能です。
- Cさんは仮にDさんを先に処刑しても最白位置であり、
襲撃からも確定白が生存しているため最終日生存に違和感はなく、吊り順提示から白黒は取れません。 - DさんはA/Bどちらが処刑されても何らかの方法でCさんのロックオンを外さなければなりません。
- EさんはAを処刑した後に、自分を疑うBさんとの対決しなければなりません。
よって、答えは「Eさんが一番、自分が生存するのに都合のいい考察をしている」となります。
もちろん実践の正解がいつもこのようになるわけではありませんが、
多くの場合、終盤の人狼(ラストウルフ)の考察はEのようになりがちです。
なぜなら、繰り返しになりますが「ラストウルフは村人を処刑しなければならない」からです。
考察はプレイヤーの発言の実力にも依存する所が大きいです。
しかし、今回ご紹介した考察方法は、「人狼の勝利条件は、最終日の生存である」「参加者は勝利を目指す」というシステム的な考えに依存する考察なので、
他人の発言の白黒の「根拠」には全く依存しないと言う点が強みになります。
実際にラストウルフを処刑するためには
……とは言え、実際にこの様な場面でEさんを処刑まで持っていくのは大変です。
人狼がEさんだったとして、最終日前日にEさんを処刑することは可能でしょうか?
Eさんはほとんどの灰から白と見られていますし、少なくとも本命のラストウルフとは見られていません。
その様な状態で独断だけでEさんを処刑することが可能か……というと難しいでしょう。状況によっては潜伏狂人かもしれないと疑いを掛けられてしまうかもしれません。または、独断で処刑を失敗した時の責任は……と頭をよぎる人もいるでしょう。
難しいですが、もし自分が翌日を見越すのであれば、
EさんでなければAさんかBさんのどちらかに人狼が居ると判断できる場合にはEさんを処刑後にA/Bを吊る、と言う手順が成り立ちます。
Cさんに対してはリソースを裂いて、Dさんの白決め打ちを促す。
あるいはEさんに対してなるべく早くの結論付け(A/Bのうちどちらが狼か、またDさんの人要素を発言として吐き出させた上で疑い先を吊る)を行います。
Aさんを処刑した後にEさん吊りに持っていくための、Cさん→Dさんの疑いを解消させる前準備となります。
その上でAさんを処刑し、最終日に託す、と言う考え方が、最も情報が出るやり方かも知れません。
このようにすれば、Eさん視点で見た時に人人人……と並ぶことになります。
最後の論理的な詰めとして、「背理法によりEさんが人だと人狼はいない事になる為、Eさんは人狼である」
と持っていく、それがベストです。
これが、強い人狼プレイヤーに勝つ為の大事な方法のひとつ。
白い狼を、自分の考察で窒息死させる。ということなのです。