霊能者(霊媒師)は、前日に処刑した人が人狼かどうか知る事のできる、村側の役職です。
この記事では、はじめて霊能者になった方や、あまり意識してこなかった方へ向けて、
基本的な立ち回りや考え方をお伝えできればと思います。
まとめ役の居ない村では初日COが基本
霊能者ですが、村にとって確定白になり得る貴重な人物でもあります。
はじめて人狼をやる人が知っておいた方がいい基本的な論理の話でもお話しした通り、
名前のついている役職者は全て、一人だけが名乗り出ることで村側であることが確定します。
様々な人がいる村の中で議論の前提を共有したいとき、
COや判定、襲撃などの状況要素は、最も簡単で、最も大切な共通言語となります。
(これは実際のビジネスで、なるべく数値で表す事が良いとされている事と同じです)
迷ったらとりあえずCOしておく、と言う動きを責める人はきっといません。
(タイミングについては、連続ガードありならなるべく早いうち。連続ガードなしでも数分は待って、村人から見える景色を動かすことを個人的にはおすすめします)
こんなにある霊能者の初日CO・確定のメリット
- (確定すれば)村側は、確実に村側だと安心できる議論の進行役を得られる。
共有者や聖痕者・パン屋などの騙りが出にくい役職が設定された編成以外では、最悪の場合一切役職は確定しません。
これを初日COにより確定することで、投票や議論の主導権を人狼側に握られることが少なくなるでしょう。 - 占い師が誤って占うことを防ぐ
占い師は、その人が人狼か人間かわかる能力を持っています。
自身がCOすることで、最終的な容疑者を1人減らすことが出来ます。 - 助言を求めやすい
自分が確定村側として頼りないと思った時には多数決で構いません。
霊能者には味方のほうが多く、様々な助言をもらえるでしょう。村が始まっていれば役割から逃げることは出来ません。反省は村が終わった後で、まずはその村でのベストを尽くしましょう。
対抗の居る霊と霊能者ローラー
対抗が出た霊能者について、
霊能者ローラー(複数の候補者を吊りきる作戦)を考えるかどうか。昔から延々と話され続けて来た話題です。
これに関して、私も霊ロラはつまらない?で考えてはいますが、数十年経っても答えは出ていないと言うのが現状です。
ダミー抜き13人村3狼1狂の村では、追放回数が6回あります。
これを「吊り手」6と呼びますが、この例の村で言うと村陣営でない人物、すなわち人外数は4です。
つまり2回までならミスが許される編成と言い換えることができます。
しかし、逆に考えれば3人での最終日を前提にした時、襲撃される人も5人いるという事でもあります。
1回狩人が護衛に成功したとして、4人になったとしても襲撃で死亡する村側は4人います。
人狼視点で考えるならば、
- 真占い師
- 真占い師の初日の白先
- COする事で確定するなら狩人(騎士)
の3人に加え1人もしくは2人襲撃する事が可能、と言えます。
霊能者ローラーを行った時に、あなたが人狼だったとしたら、この2人はどの様な人物を選びますか?
――到底処刑候補になり得ない人物?
――推理が鋭くいつか答えに辿り着いてしまう人?
――あるいは、誰かを陥れる為に、自分とは関係のない人?
いずれにしても、人狼は自分が有利になるように襲撃を決めます。
それが村にとって得か損か。霊能者ローラーを是とするかを考える1つのキーです。
霊能者の固有能力の活かし方
上では役職者の共通のはなしをしました。
話変わって、追放した人が人狼であるかどうか分かる霊能者の能力。
活かし方を考える前に、問題です。
突然ですが、霊能者と占い師はどちらの能力が強いでしょうか?
村側の役職御三家と言えば、占い師、狩人(騎士)、そして霊能者ですが――
- 占い師
生存者の中の1人が、人狼であるかどうかが分かります。 - 狩人
生存者の中から1人を人狼の襲撃から守ります。 - 霊能者
追放者が人狼であるかどうかが分かります。
ここで村側の勝利条件を思い出してみます。
そう。全ての人狼を追放で退治する事ですね。
その為には生存中に、生存者が人狼を見つけ、追放しなければなりません。
占い師や狩人は生存していた場合に人狼を詰ませることが出来る一方で、
霊能者は生存していても敗北しうる、前者2つよりも弱い役職と言えます。
……霊能者で活躍したいのにこの記事を読んだ人は、ちょっとがっかりするかも知れませんね。
けれども大丈夫です。
霊能者の人狼を追放する為の情報を得られるタイミングそのものは、占い師や狩人より1手遅いです。
しかし、追放結果の答え合わせが出来ます。
この答え合わせの能力を生かす為には、
追放と言う村の推理の仮回答をどう修正していくかが鍵です。
つまり、「答えを知らない」と言う村側の特性から、どの様に間違えたのかを探る、
霊能者の能力に最適化された手段や考察が必要となってくるのです。
これは「霊判定が揃っていれば」霊が複数いても使える推理です。よって、例え霊能者が確定していなかったとしても、「村として霊能機能は残っている」と見なした推理をすることが可能です。
ライン考察と、人間吊りの時の切り替え
霊能者の判定に由来する考察が2つあります。
1つは、霊能判定が人狼であった場合。
「追放された人物が人狼である」と言う前提に基づいて、その相手に対する触れ方や、作戦を思い出してみる――通称、「ライン考察」と呼ばれるもの。
もう1つは、霊能判定が人間であった場合。
詳しくは黒視されている村人から見る狼探しでもお話ししています。
白判定(人間判定のことです)が出たら、投票をどの様に間違えたのか。
間違えたのは自分や仲間が生存すると言う目的のためだったのか、あるいは単なるミスリードが原因だったのか。
これらを省みる事が、霊能者と言う能力を活かす作戦になってきます。
霊能者の居ない村では、強弁の狼PLに押されがちな展開になりやすいです。これは間違いに気付けない為です。
霊能者の人間判定が重要な役割を持っている事を示す傍証であると考えられます。
終わりに
村側で華とされる占い師や狩人と比べると地味なイメージの強い霊能者ですが、
霊能者の強みを生かせば、きっと村の力になります。
例え序盤の推理に失敗しても捲土重来を期すという志を持つ──そんなプレイヤーにこそ、霊能者の能力はきっと味方してくれるはずです。